セレモニー用のトルティージャは守護聖人のお祭りで用いられます。また、大切なお客様へのおもてなしとして、敬意や感謝を表すために準備されます。
ムイクレという花からつくられた染料でセレモニー用のトルティージャを捺印します。
トルティージャ用の木型はオトミ族でとても大切にされていて、母から娘に代々継承されています。より年期の入ったものがより価値があります。また、特にメスキートという木材でつくられた木型の価値が高いです。
お祝い事の内容や家族によって、トルティージャに押されるスタンプは異なります。一番重要なスタンプは、町で最も大きなお祭りである「サンタ・クルス」で用いられるものです。セレモニー用のトルティージャの伝統が人気となってからは様々なデザインが作り出されるようになり、売り出されているデザインもあります。
トルティージャを焼くコマルという鉄板を大事にすることも大切です。
伝統では、全てのトルティージャが正しく作られ、悪い霊気を取り込まないように、トルティージャの生地で人形をつくって祈ります。1回目にトルティージャをひっくり返すときに、スタンプと染料が付いた台にトルティージャを載せ、その後コマルに戻して、トルティージャを完成させます。
セレモニー用のトルティージャを作ることは、宇宙のエネルギーやキリスト教、またオトミ族の精神と繋がることを意味します。1つ1つの要素に宗教的な意味があります。例えばトルティージャを焼くときに聞こえる薪の燃える音は、どのように調理されるのかを観察している魂のつぶやきの音です。